水彩画のテクニック【プラス1の道具でできる技法13】

前回は、筆だけでできる
水彩画の技法について書きましたが、

今回は、プラス1の道具や材料を使い、
できること
についてご紹介します。

遊びの要素が加わり、楽しくできるうえに

「一体どうやって描いたの?」と思われるような
効果が狙えます!

  • お子さんとアートを楽しみたい
  • 水彩画の表現の幅を増やしたい

といった場合に、ぜひ興味のあるものに
トライしてみていただけると

思わぬ発見があること間違いなしです。

塩を絵の具にふりかける
塩を絵の具にふりかける

これはとてもおもしろい技法です。

絵の具をたっぷりめに塗った上から、
文字通り、塩をぱらぱらとまく
のです。

使う塩は、特別なものではなく、
キッチンにあるもので大丈夫です。

すると、絵の具が乾くにしたがって、塩の結晶の周りが
白っぽくモヤモヤとた模様になります。

絵の具の水が多すぎても、ただ粒が泳いでしまう?感じになるし、
水が少なすぎても、塩が溶けません。

また、塩の粒の大きさなどにより、
少し違う模様ができるかと思います。

加減は、お手持ちの材料で実際に
やってみて調節してください。

マスキング

白抜きの花の絵
白抜きの花の絵

これも、よく耳にする方法の1つかと思います。

画用紙をマスキング材料によりカバーしておき、

そこに絵の具がつかないようにする方法です。

マスキング液

Winsor & Newton のマスキング液
Winsor & Newton のマスキング液
ラバークリーナー
ラバークリーナー

マスキング液はとても便利で楽しいので

水彩画のお好きな方は持っておいて
損はないかと思います。

  • マスキング液を筆で画用紙に塗り、乾かす。
  • 上から絵の具を塗り、乾かす。
  • ゴム状になったマスキング液を、はがす。

はがしたところが白抜きになるので、
白をいかした表現にしたり

さらにこの上から
絵の具を重ねることもできます。

また、マスキング液をはがすための
「ラバークリーナー」という商品があります。

名前の通り、硬い消しゴムのようなもので、

紙にくっついているマスキング液を、
このラバーにくっつけるようにして取り除きます。

大きな面積でしたら、あったほうが便利ですが

小さな作品だったら、指でやさしくこするようにしても
マスキングははがれます。

マスキングテープ

マスキングテープ
マスキングテープ

最近よく見る柄付きのマスキングテープ、
こちらの用途が元々です。

絵の具を塗りたくないところに
マスキングテープを貼り、カバーをする方法。

見ての通り、テープは幅があり、直線的になるので

ある程度作品の大きさがある場合や、
地平線などをまっすぐカバーしたい場合に向いています。

また、マスキングテープは
思ったより接着力が強い場合が。

勢いよくテープををはがすと
紙の表面が破れてしまうので、注意
です。

スパッタリング

これも水彩画らしく、人気の技法ですね。

絵の具を散らすやり方です。

いくつかの方法があり
それぞれに違う効果が出ます。

  • 筆先をはじく
筆の先ではじく
筆の先ではじく

水彩画の筆のうち、穂の材料にコシのある筆ならできます。

絵の具をつけた筆を、指でつまんで

毛が戻る勢いで絵の具が散るようにします。

  • 指などにトントンと叩きつける
スパッタリング
スパッタリング

これも、多少コシのある筆のほうがやりやすいでしょう。

絵の具をたっぷりつけた筆を、
他の筆や、反対の手の指にトントンと当てて

絵の具を飛ばします。

絵の具の量や、叩く強さで
できる模様が少し違ってきます。

  • 金網と歯ブラシで
型紙をあててステンシルもできる
型紙をあててステンシルもできる

この方法は、比較的細かな模様ができます。

歯ブラシにつけた絵の具を、
金網にこすりつけて
絵の具を散らします。

専用の網がない場合には
茶こしや、目の細かいザル、ふるいなどでも代用できます。

ハブラシ

色々なものを筆にして描く
色々なものを筆にして描く

歯ブラシは、筆のようにも使えます。

絵の具を付けて画面にこすりつけると
ワイルドな模様ができる!

歯ブラシ以外にも、
筆以外のものに絵の具をつけで描くことで

いろいろな質感ができそうです。

クレヨンで弾かせる

クレヨンの上に絵の具
クレヨンの上に絵の具

小さいころなど、誰もが一度はやったことがあるのでは。

お子さんでも楽しめて、見栄えのするテクニックです。

クレヨンの「ろう」が、
絵の具の水をはじくことを利用します。

スタンピング

梱包材などをスタンプに
梱包材などをスタンプに
使えるものを探してみよう
使えるものを探してみよう

スタンピングは、様々な材料でたくさん楽しめる方法です。

何かの材料に絵の具をつけて、
画用紙に押し付けることで、模様を写し出します。

例えば…

  • 段ボールの中のなみなみ
  • ガーゼなどの布
  • 紙をくしゃくしゃにして
  • スポンジ
  • 野菜の断面

などなど、様々な材料があります。

それぞれの形や模様をいかした
作品のアイディアが生まれそうです!

ひも

ひもや糸を垂らして
ひもや糸を垂らして

ウォッシュの上から、
絵の具を染み込ませたひもや糸をたらしてみましょう。

この写真は、刺繡糸を使っています。

半乾き~乾いたら、糸を取り除くと、
面白いテクスチャーができます!

少しノスタルジックな感じですね。

もっと淡い感じにもつくれます。

ガーゼ

ガーゼの跡をつける
ガーゼの跡をつける

上の「ひも」と同じく、
紙に広く、薄めの絵の具を塗った上から、

絵の具を染み込ませたガーゼを置いて、乾かします。

ガーゼの場合、ひもよりも沢山の
絵の具を吸ってしまうので、

最初の絵の具は少し多めに塗っておいたり、

ガーゼ自体をパレットで絵の具に
しっかり浸したりするとよいです。

また、完全に乾かしてからガーゼを取り除くと

絵の具の接着力でガーゼが張り付き
紙を痛めてしまう場合があるので、

半乾きくらいで取り除くのがベストです。
(絵の具の濃さにもよります)

上の写真では、下地が黄色、ガーゼが青や緑と
差の大きい色を使ったので

模様がくっきりと出ましたが、

紙もガーゼも同じ色同士だと、もう少し淡くて、
テクスチャーといった感じに使えます。

ここまで色の差をつけると、
版画のような雰囲気になっていますね。

デカルコマニー

デカルコマニー
デカルコマニー

絵の具で模様を紙に描き、

二つ折りにして、反対側にも模様を写す
という方法です。

思わぬ形がうまれ、そこから作品の発想になりそう。

タコ糸ひっぱり

タコ糸ひっぱり
タコ糸ひっぱり

タコ糸に絵の具を付けたら

二つ折りにした画用紙にはさんで、
タコ糸を端から引っ張ります。

面白い模様!

ビー玉

ビー玉に絵の具をつけて

ビー玉に絵の具をつけて

箱などの中に置いた画用紙の上で
転がします。

Tips

このあたりの技法は、
失敗できない作品のうえでやる!よりは、

いくつか試してみて、

気に入ったものに描き足して作品にしたり、
切り貼りしてコラージュのようにしたり

といった方法が向いていそうです。

泡もよう

泡のもよう
泡のもよう
濃い目に出た泡のもよう
濃い目に出た泡のもよう

コップの中に絵の具と食器用洗剤、少量の水を入れ、

ストローで吹いて色の泡をつくります。

紙に泡を当てて写し取ったり、
スプーンで泡をすくって紙に乗せると

泡の涼しげな模様がつくれます!

海や、ドリーミーな表現にいかがでしょう。

ストローで吹く

ストローで吹く
ストローで吹く

筆でたっぷりの絵の具だまりをつくり、

ストローで吹いて模様をつくります。

さいごに

今回ご紹介した、プラス1の道具や材料でできる
絵の具テクニックでは、

楽しいうえに、「どうやったの?!」と思われるような
おもしろい模様ができます。

シンプルなようでいて、
無限に広がる水彩画の世界。

興味を持ったものから、どんどんお試ししてみてくださいね。

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