コラージュとは?【簡単な作り方★イメージであそぼう!】

コラージュとは?成り立ち・いろいろな作り方を紹介

Carl Wiener 'Ohne Titel (Collage)' (1942)
Carl Wiener 'Ohne Titel (Collage)' (1942)


コラージュとは、
紙やキャンバスに絵の具で絵を描くだけでなく、
色々な材料を貼ることを組み合わせた表現方法。

フランス語で、collar 「糊で貼り付ける」
という意味の言葉から来ています。

コラージュの始まりは、20世紀初頭のフランス美術でしたが、

その後さまざまなアーティストによって製作され、
今では誰でもが楽しめる身近な方法になりました。

コラージュのよさは、

  • 特別な技能などが要らず、だれでも気軽に楽しめる。絵を描けなくても大丈夫。
  • 素材からの発想ができる。ゼロからの発想とは違ってアイディアがうまれる。
  • 関連のない複数の素材を集めるので、作品に意外性がうまれる。
  • 紙だけでない素材を使う面白さを体験できる。

といった点です。

コラージュでは、写真などの材料を組み合わせて貼ることで、
意外性やイメージ集めを楽しめます。

また、貼った上から描く、描いてから貼る、などの
自由な作り方もできます。

特殊な技能や、言葉を使わずに自分を表現できる、
心理療法として取り入れられる場合もあるようです。

ぜひ、気軽にコラージュを楽しんでみましょう!

コラージュに使う材料


コラージュに使う材料は、
紙類なら、

雑誌
新聞
写真
ラッピングペーパー(お菓子の包装紙なども)
トレーシングペーパー


などがあります。

トレーシングペーパーは、雑誌の切り抜きなど、先に貼ったものに貼り重ねると
奥行き感をつくれるので便利です。

その他、布、ビーズなど、思いついたものを使ってみましょう。

コラージュに使う道具など

カッターやはさみ


素材を切り抜くのに使います。
カッターは普通のものでも大丈夫ですが、デザインカッター(写真右)があると、細かい部分や曲線が切りやすいです。

カッターを使うなら、カッターマットがあると、厚紙の上などで作業するよりも驚くほど便利です。
100円ショップなどでも小さいものなら手に入るので、一家に一枚持っておくことをおすすめします!

のり・接着剤


スティックのり
雑誌やコピー用紙のような、薄い紙ならスティックのりが、紙同士がたわまず、きれいなまま貼れます。


液体のり
画用紙のような、少し分厚い紙を貼るなら、液体のりでないとはがれてしまうかもしれません。


ボンド
布やビーズなど、紙以外の材料を貼り付けるときには、ボンドが便利です。

キャンバスに描く場合


キャンバスにアクリル絵の具で描く作品の場合には、リキテックスのメディウムシリーズの中にある、「ジェルメディウム」を接着材として使うことできます。
少し重いものも貼り付けられる、接着力の強い「ヘビージェル メディウム」というものもあります。

ジェルメディウムについて詳しくはこちらのサイトにあります

絵の具などの描画材は何を使う?

画用紙のボードに。雑誌の切り抜きと、水彩絵の具の組み合わせ​
画用紙のボードに。雑誌の切り抜きと、水彩絵の具の組み合わせ


紙同士のコラージュであれば、上から水彩絵の具
描くこともできます。

水彩絵の具の種類は、
透明水彩、ガッシュ、ポスターカラーなど、
お手持ちのもので大丈夫です。

また、アクリル絵の具を使えば、布やプラスチックなど
色々な材料の上から描くことができます。

アクリル絵の具は、雑誌などの印刷物であっても、
下の色を隠して描くこともできるので
便利な絵の具です。

また、色鉛筆やクレヨン、ペン
など、紙に描く描画材を
組み合わせて使ってもよいでしょう。

水彩画の中に、テクスチャーとして​紙を貼っている(筆者作品)
水彩画の中に、テクスチャーとして紙を貼っている(筆者作品)

コラージュの歴史、有名な作品


コラージュは、アートの歴史の中では比較的新しい表現方法です。

パブロ・ピカソによる 《籐椅子のある静物》(1912)が、美術史上有名で、
初めて絵の具以外の物質が、キャンバス上に登場したといわれます。
この作品は、「籐椅子の籐模様を印刷した布」が、キャンバスに貼り付けられています。

他にもジョルジュ・ブラックの「パピエ・コレ」(紙によるコラージュ)が、コラージュのはじまりと言われています。

Kurt Schuwitters による 'Collage' (1937)
Kurt Schuwitters 'Collage' (1937)

その後、ダダイズムの作家たちの、既成概念を打ち壊す作品たち
など、様々な作家によって制作され、

現代では一般的な表現方法の一つとして定着しています。

美術館に行くと、ごく自然に、
コラージュ作品を目にすることがあるでしょう。

また、現代のわたしたちに身近なのは
コラージュを使った絵本の世界かもしれません。

エリック・カール ー絵本「はらぺこあおむし」など
自作の色紙などを切り貼りしたコラージュ。

エリック・カールの世界 公式サイト [Official World of Eric Carle Site]

50周年を迎えた絵本「はらぺこあおむし」作者エリック・カールさんの日本公式サイト。 イベントなどの最新情報や、グッズ情報などが満載です。

レオ・レオニ -絵本「スイミー」「アレクサンドルとぜんまいねずみ」など

レオ・レオニズ フレンズ 公式サイト

「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」「あおくんときいろちゃん」で知られたレオ・レオニを紹介する日本の公式サイトです。 Leo Lionni’s…

ローレン・チャイルドの絵本「ぜったいたべないからね(チャーリーとローラ)」などの作品たちは、いたずらっ子だったり、子供らしさを描いた物語の中にも、おしゃれな布や紙が取り込まれた絵が、イギリスでとても人気です。

https://www.instagram.com/laurenchildthatsme/

清川あさみさんの人気絵本「人魚姫」などは、
布に刺繍をして作品をつくっていますが、広い意味ではコラージュ的な
イメージを与える作品とも言えるかもしれません。

https://www.asamikiyokawa.com/art/321/

アートの分野では、草間彌生さんなど、どんな作家も
一度は試している表現方法ともいえるでしょう。

それほどまでに、ただ描いていくだけでは得られない視覚的効果や
新たな要素を自分に取り入れることができる、
とても楽しい表現方法だといえます。

それでは今回はこの辺で…

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